ビル管理ほか介護・保育など12社で構成
長期的な視点で着実な成長へ
株式会社第一ビルサービス
ビルメンテナンスの第一ビルサービスなど12 社で構成する、みどりグループ。2018年に設立55年を迎え、グループ社員は約1500人となった。新卒採用に加え、障害者や外国人実習生の雇用に積極的だ。杉川聡社長は、「当社は未来を見据え、『安定』に加えて『成長』を選択しました。今当社にいる若手社員、さらにこれから入社する新しい人たちが活躍できる場や、ポストが不足することのない環境づくりを進めています」
グループ売上高100億円超
本業のビルメンテナンスは、50年以上連続で管理棟数を増やし、現在は約1800棟を管理。公営住宅と公園の管理は中四国地方で最多を誇る。ビル事業では中四国でビルの取得を進めている。また、介護・保育では広島、廿日市市、山口県岩国市で13施設を運営。福祉関連事業で培ったノウハウを生かし、食品製造にも参入。東広島市黒瀬町と安佐南区川内の工場を本格稼働し、グループで手掛ける病院内給食サービスや介護施設など向けに食事を提供している。病院などに入るレストランも手掛ける。こうした事業領域の拡大で売上高は100億円を超え、10年前に比べて4倍。今後5年でさらに倍の200億円を目指す。 「当社の本業となる不動産総合サービスは、単発的・短期的なものではなく、長期的視点で行うものが圧倒的に多いという特徴があります。その分、爆発的に業績を伸ばすことはできませんが、安定しています。事実、売り上げ・利益共に1度も前年割れすることなく、確実な発展を続けてきました。さらに挑戦し、本業も強化して、新規事業に力を入れたい」マリーナホップ再生への挑戦
12年から新事業として商業施設「マリーナホップ」の再建に挑んでおり、17年6月には施設内にマリホ水族館を開いた。広さは平屋の約600平方㍍と、それほど大きくはないが、波を表現する最新の技術を生かした臨場感のある見せ方などに工夫を凝らし、リピーターが増えている。夏場には夜間の水族館を楽しめる「ナイトアクアリム」も実施。午後5時から館内の照明を落とし、水族館全体を幻想的な空間に演出する。初年度は、当初の想定の35万人を大きく上回る60万人が来場。好評を受けて20年に増床を計画する。 マリーナホップは05年に中四国最大級のアウトレットモールを核とした大型商業施設として開業したが、開発・運営会社が08年に民事再生法を適用。その後、運営会社が変わり、大型テナントの誘致などでリニューアルを図ったものの、集客で苦戦し、赤字続きだった。12年11月にビルメンテナンスの第一ビルサービスが運営を引き継いだ経緯がある。その後、13年にはテナント入居率90%に回復し、イベントなどを開催するなどで初めて黒字転換。だが、アンケート調査では「まだあったのか、もうつぶれたんじゃないか」といった具合。イメージがガラッと変わるだけのコンテンツが必要だったと、水族館の開館へと踏み切った。 今後は夜の集客に向けて、高級版フードコート「マリホフードホール」を構想する。デザイン性の高いおしゃれな内装で、大人な空間を演出したいという。広島の名所となるよう、イメージチェンジを加速していく。会社概要
株式会社第一ビルサービス 本 社:広島市中区大手町5 – 3 -12 設 立:1963年7 月 資本金:3000万円 売上高:45億円(グループ:91億円、2017年6 月期) 従業員数:724人(グループ:1474人、2017年6 月期) 事業内容:不動産総合サービス業 T E L:082-248-160 http://www.midori-gr.com/
※2018年8月当時の情報です。