情報通信インフラで社会基盤を支える
IoT、ロボットなど新技術にも挑戦
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
中国電力グループで、「電気通信」と「情報処理」の2つを柱に、総合的なITソリューションを提供。中国地域の全域に通信ネットワーク網を備える。同地域で光ファイバーの通信回線を自社で保有する数少ない企業の1つだ。
通信事業の個人向けインターネット接続サービスは「メガ・エッグ」ブランドで広く親しまれる。顧客のライフスタイルに合わせて選択できるリモートヘルプサービスや動画配信サービスの標準装備オプションも充実させている。
法人向けサービスは「エネウィングス」ブランドで、自社の通信回線や、クラウド・データセンターサービスなどを提供する。具体的には、企業・自治体の情報インフラに欠かせない通信ネットワークやインターネット接続、セキュリティー環境など、トータルソリューションで社会基盤を支えている。
もう1つの柱の情報処理事業では、主に中国電力とそのグループ会社向けのシステム開発から運用保守までを一貫して手掛け、情報処理高度化の中心的役割を担う。例えば、各家庭の電気料金を計算するシステム、電線・電柱などの配電設備の設置状況や点検時期の把握に欠かせない管理システムなどを手掛ける。
また、グループ外の企業向けに、ドローンを活用した社会インフラ構造物などの設備点検システムの開発にも取り組んでいる。
ITサービスを強化
次々と技術革新が進む情報通信分野にあり、既存技術と他分野の技術とを融合したITサービスを創出するなど、新しい領域に果敢に挑戦している。 2018年4月にITサービス事業部を新設し、「モノのインターネット(IoT)」や事務作業を自動化するサービスなどを強化。17年から、人手のかかる事務職の単純な業務などをソフトウェアロボットに代行させる新しい技術「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の独自サービス「エネロボ」をスタート。企業の状況に合わせたロボット開発、運用、保守までを一貫して支援しており、人手不足への対策や、業務の効率化、ミス削減などの「働き方改革」を進める、さまざまな業種の企業から引き合いが続いている。海外事業者との業務提携も
16年には米国シリコンバレーのIoTサプライヤーであるフォグホーンシステムズ社と国内企業で初めて業務提携を結び、IoTアプリのサービス提供を始めた。さまざまなメーカーの設備や機械などが持つデータを、ネットワークを介して結びつけることで、製造現場の状態をリアルタイムで「見える化」する。同社が持つ回線サービスやクラウドサービスと組み合わせることで、サービスの一元管理ができるのも特徴だ。 地域社会への貢献にも積極的に取り組む。新たな資金調達手法として注目されているクラウドファンディングのサイト「FAAVO広島」を運営し、広島県の夢やアイデアをプロジェクト化。資金集めで地域の夢の実現を支援している。また、初心者でも手ぶらで気軽に野菜作りを楽しめる体験農園サービスも始めるなど、その展開は多彩だ。会社概要
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ 本 社:広島市中区大手町2-11-10 設 立:1985年4月 資本金:60億円 売上高:409億円(2018年3月期) 従業員数:1001人 事業内容: 電気通信事業、情報処理、ソフトウエア開発、電気通信設備の工事・保守など T E L:082-247-8511 http://www.enecom.co.jp/
※2018年8月当時の情報です。