創業120周年へ グループ体制を強化
食を通じ、社会課題を産業的に解決する
広島駅弁当株式会社
1901年創業の老舗企業。弁当や総菜の製造ほか、配食、給食事業を展開。安心で安全な食を生産地から食卓まで届ける「From Farm to Table」をコンセプトに掲げ、自社農園の運営から製造、販売までを一手に担う。近年は企業体制を整備しており、企業や病院、高齢者施設に食を提供する「フードサービス事業部」、企業や高齢者宅へ弁当を配達する「日配給食部門」などに事業を分割。専門性を高め、食の「ファーストコールフードカンパニー(FCFC)」を目指す
総務省IoT創出支援業を受託
2017年4月から稼働する民設民営の学校給食センター「広島アグリフードサービス」は、地域の子どもの食を支えるだけでなく、配食事業を全面的に移管した「広島ヘルスケアフーズ」と共に、これまでの高齢者施設食、高齢者配食に加え、介護予防などの「ヘルスケア」という切り口で超高齢化社会の課題解決を目指す。 総務省より、IoTサービス創出支援事業の委託先として広島駅弁当グループの提案事業が採択された。本事業は、地域の課題解決に資するIoTサービスの実証を通じて、そのリファレンスモデルを創出・展開するとともに、必要なルールの明確化を行うことを目的とした国からの委託事業で、広島市や広島大学、システム開発会社と連携し、「高齢者の栄養改善・虚弱予防支援」モデル事業を18年7月から始める。高齢者施設入居者、在宅高齢者の低栄養状態・フレイル状態をIoT機器で測定。データをもとに、医学や栄養学の知見から個々の状態に適した食事を提供し、摂取記録を取り経過を観察するまでの体制を構築。栄養改善、虚弱予防改善に向けて適切な介入を図る。福祉事業に新規参入
広島市は、高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるように「医療・介護・予防・住まい・生活支援」を切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」の確立を進める。 こうした行政の施策に産業的に寄与するため、17年9月、高齢者宅への訪問サービス事業所「コネクトハーツ」を開設。「生活援助特化型訪問サービス事業者」の指定を広島市から受け、調理や掃除、買い物代行などを支援する。コネクトハーツには、「共助の精神を持ち、新たなつながりの構築の一助となりたい」という願いを込めた。食と地域社会の未来を築く
企業理念を「食を通じて地域社会の課題を解決し、地域社会に必要とされ、貢献する企業を目指します」とした。中島和雄社長は、「これは17年度に策定した、広島駅弁当グループ6社の統一経営理念。経営理念をすなわちグループの業である食を通じて地域社会に成すべき企業の使命と据えた。全従業員が使命を胸に刻み、顧客価値の飽くなき追求のために弛むことなく行動する。その先に名実ともに地域の皆さまに必要とされるFCFCの実現があると定義している。創業から百十余年の伝統を強みとし、革新への挑戦を続け、あくなき顧客価値を追求。地域社会の課題を解決し、必要とされる企業を目指す」と語る。 〝歴史があるから語れる未来がある〟と、食と地域社会の未来を築くための挑戦はこれからも続く。会社概要
広島駅弁当株式会社 本 社:広島市東区矢賀5-1-2 設 立:1901年4月 資本金:9250万円 売上高:51億円(18年3月期) グループ6 社の売上見込みは96億円 従業員数:1300人(パート、アルバイト含む) 事業内容:弁当・総菜の販売製造 学校・病院給食、生活支援サービス T E L:082-286-0181 http://www.ekibento.co.jp/
※2018年8月当時の情報です。