国内の製材トップ企業
売上高が1000億円を突破、国産材活用にも力
中国木材株式会社
国内の製材最大手。住宅用構造材(梁・桁・柱など)の製材を中心に、加工から納品までを一貫して行う。主力は強度に優れた北米大陸のベイマツ。世界トップクラスである林産会社の米ウェアハウザー社と直接輸入取引している。会長が自宅建設で体験した不具合から研究開発したベイマツ乾燥材「ドライ・ビーム」はその国内シェアで70%以上を誇る。
スギやヒノキなどの国産材のほか、レッドウッドを中心とした欧州材など多品種の木材を取りそろえ、顧客の多様なニーズに対応。強度に優れるベイマツと国産スギを組み合わせた異樹種集成材「ハイブリッド・ビーム」も開発している。注文には全国10ヵ所の物流拠点から翌日には発送できる体制を確立し、「多品種・即納・欠品なし」を実現する生産の管理体制を敷く。自社工場から排出される樹皮やオガ粉なども活用すべく、バイオマス発電事業も手掛ける。それらをボイラーの燃料とし、電気や蒸気を効率良く得ている。17年6月期決算で売上高が前期比9 ・ 3 %増の1009億9700万円となり、初めて大台を突破した。今後はベイマツ乾燥材「ドライ・ビーム」や国産材、発電事業に加え、内装材や輸出などに注力し、将来は1500億円を目指す。
国産材の活用を拡大へ
本社や鹿島工場(茨城県)など8ヵ所の生産拠点を持つ。特に日向工場(宮崎県)は杉原木の供給量が好調に推移していることなどから増設を決めた。これまでの総工費を含めると投資総額は約500億円。敷地約46万4000平方㍍、工場は19年6月をめどに約1万2800平方㍍増の約8万6400平方㍍となる。原木の取扱量は17年の45万6000立方㍍から、20年に1・5倍となる70万立方㍍に増やし、国内最大の国産材加工拠点とする。 バイオマス発電施設も新たに1万4500㌔㍗の発電能力を持つプラントを整備し、既存の施設と合わせて3万2500㌔㍗とする。製材で出る樹皮などを発電や乾燥に使って工場内のエネルギー供給を賄うほか、固定価格買取制度(FIT)での売電も実施。国産材を無駄なく活用する「日向モデル」の確立を目指す。 国産材の供給や価格の安定に向け、山林取得も進めており、現在約7200㌶を所有。こうした国産材の利用拡大の取り組みが評価され、15年度の農林水産祭で天皇杯を受賞した。17年5月には、呉市の阿賀マリノポリス工業用地への進出に伴う立地協定を呉市と締結。本社から約4㌔、東広島呉道路からは3㌔と近いため進出を決めた。18年6月、3万平方メートルの用地に木材を3、4カ月間、天日干しにする施設を3億円で建設した。本社のバイオマス発電は17年7月に2号機が稼働し、既存の施設と合わせ1万4850㌔㍗に拡大。 今後、国内の住宅着工件数の減少が見込まれる中、内装材や輸出など、新たな需要の開拓に力を入れる。無垢の風合いを生かした面材「ムク・ボード」のほか、カフェの床やカウンター等に使ってほしいと名づけた「カフェ板」などを商品化。韓国や中国、台湾など、海外への輸出も進める。会社概要
中国木材株式会社 本 社:呉市広多賀谷3-1-1 設 立:1955年1月20日 資本金:1億円 売上高:1009億9700万円(2017年6 月期) 従業員数:2364人 事業内容:木材の製材および乾燥材・集成材の製造販売・輸出、プレカット加工、原木および製材製品の直輸入、木質バイオマス発電 T E L:0823-71-7147 http://www.chugokumokuzai.co.jp/
※2018年8月当時の情報です。