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創業100年の総合酒類メーカー
県産原料使う「国産ジン」など新商品で市場開拓

中国醸造株式会社

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 広島県産原料を使った国産クラフトジン「SAKURAO GIN(サクラオ・ジン)」をはじめ、清酒や焼酎、リキュール、ウイスキー、みりんなどを製造する、県内で唯一の総合酒類メーカー。2018年に創業100周年を迎えた。  蔵元向けの醸造用アルコールのメーカーとして発足し、これまでは低価格帯の商品を中心に親しまれてきた。若者のアルコール離れなどを背景に酒類の消費が低迷する中、近年は高付加価値商品への転換を進めている。
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クラフト蒸留所を稼働

 100年以上続いた焼酎や清酒造りの歴史・伝統を受け継ぎつつ、洋酒の新たな可能性に挑戦するため、17年12月にクラフト蒸留所「サクラオ・ディスティラリー」を竣工・稼動した。県内で初となる「シングルモルトウイスキー」(1つの蒸留所でつくる、大麦麦芽100%使用ウイスキー)や「クラフトジン」を製造。地域に開かれた蒸留施設として、日本の洋酒文化や自然の豊かさを、外国人を含む観光客などに広く発信する。18年3月、同施設で手掛けた最初の商品としてサクラオ・ジンを発売した。地元に根付いた酒造りにこだわり、山海の幸が豊富な広島県産ボタニカル(植物原料)を17種類使った「リミテッド」と、新鮮な柑橘類など9種類を使った「オリジナル」を用意する。   並行して、サクランボやグレープフルーツなど、四季に合わせた果汁を使うスパークリング(発泡)ワインの「Shiki」シリーズを立ち上げたほか、女性に好まれやすいように生乳をベースに、甘くフルーティーに仕上げた「SHIROI」シリーズにも炭酸商品を投入。着実にラインアップを拡充している。白井浩一郎社長は、「商品のスペック(仕様)だけで、ものが売れる時代は終わった。当社ならではの特徴があり、価値の伝わる商品造りを進めている。そのために、どのような場面で、どのような人に飲んでほしいかをイメージしながら商品開発を進める必要がある。おいしいのは当然。新商品の開発に併せて、商品の魅力を発信することに力を注ぐ」

プレミアム日本酒が好調

 全国的に吟醸酒などのこだわりの日本酒は人気が続く。プレミアムシリーズの「一代 弥山」は、流通を限定し、特約専門店だけに出荷し、飲食店からも引き合いが増えている。「一代 弥山 スパークリング」は日本料理など、繊細な料理に合わせやすい辛口で、シャンパン並みの細かいしっかりとした泡が特徴だ。世界最多の日本酒が出品される「SAKE COMPETITION」のスパークリング部門で金賞を受けた。

海外向けの輸出が増加

 13年に発売したリキュール「もみじ饅頭のお酒」は広島銘菓もみじまんじゅうの味わいを再現し、土産物として安定した売り上げを続ける。チーム成績の好調に伴い、「カープ梅酒」など、広島東洋カープの関連商品も好調だ。近年は、海外向けの輸出も増加傾向にある。白井社長は、「業界で初めて紙容器入りのお酒『はこさけ一代』を発売した、このパイオニア精神が当社の礎だ。グローバルな視点で、時代のニーズに合った魅力的な商品と高品質なサービスを提供する情熱を持ち続ける企業でありたい」

会社概要

中国醸造株式会社 本  社:廿日市市桜尾1-12-1 設  立:1918年10月 資本金:1億円 売上高:32億6000万円(2017年9月期) 従業員数:77人 事業内容:焼酎、清酒、リキュールなどの製造、販売 T E L:0829-32-2111 http://www.chugoku-jozo.co.jp/

※2018年8月当時の情報です。