電子制御で西日本大手
ものづくりの原点は〝人間力〟、若手育成に力
田中電機工業株式会社
製造ラインの複数の機械を効率よく動かす、制御システムを手掛ける西日本大手。電機制御盤をはじめ、電子機器の設計、製造、施工のほか、コンピュータハードウェア、ソフトウェアの販売、保守なども手掛ける。
1929年の創業時は工場のモーターの保守、点検、修理などをメインに手掛けていたが、工場自動化の時代が来るとにらみ、制御盤製造に進出した。同社の制御盤製造は一般的な制御盤メーカーよりも規模が大きく、板金、塗装の設備を整え、ワンストップできるのが特徴。生産管理から、ライン制御、専用コントローラーの開発までを一貫して請け負う。短納期や仕様の細かい要望にも対応できるのが強みだ。2012年稼働の安芸高田市工場は、50㍍級の大型制御盤が製造できることで全国から注目を集めている。14年には子会社のタナカショーデンで約9億円を投じ、西日本最大級の新工場を庄原市に建設した。自動車産業のほか、繊維業、医療機器メーカーなどの大手企業に採用され、取引先を全国に広げている。
コンピュータ事業は、世界の巨人「IBM」と連携して展開する。「オフィスまるごとソリューション」を掲げ、情報を経営・営業戦略の視点から分析し、顧客独自のIT戦略を構築する「ITコンサルティングサービス」を実施。システム構築やプロダクツ提供、保守・運用支援サービスと、世界最先端のハードウェアから、アプリケーション開発、ネットワーク構築まで幅広く対応する。
人の成長が会社の成長
〝社会・顧客と会社と社員の共存共栄〟を経営の基本方針に掲げ、社会や顧客の役に立ち、信頼される会社を目指している。創業以来、特に若手社員の育成に注力しており、若い人材に積極的に仕事を任せている。未経験でもコンピュータ開発を担当できるよう、会社全体で資格取得を後押しする。11年に製品化したソフト「Pピ ーボEVO」は、若手を中心に開発。必要なウエブコンテンツを集約する企業情報ポータルソフトで、集約可能なポータルサイトをすぐに構築と評判を集め、これをきっかけに世界中に事業パートナーを持つIBMから国内では数少ない最優秀パートナーに選ばれた。想像力や意欲、潜在力を引き出すため、経営陣が社員と同じ目線に立つことを大切にしている。田中秀和会長は、「設備でモノをつくるわけではない。人間力こそがモノづくりの原点です。人の成長が会社の成長につながる。定期的に鍋パーティーなど集まりを開いており、社員と積極的にコミュニケーションを取っています。社員と経営陣との相互信頼を大切にし、風通しの良い会社をつくりたい」農業参入、イチゴをブランドへ
同社が培ったさまざまなノウハウや顧客の協力の下、課題解決を提案するソリューション部門を15年に新設。この先駆けとして、農業に進出。水素水が農作物の生育に好影響をもたらすことに目を付け、イチゴの栽培に乗り出した。 糖度平均15度で、甘く芳醇な香りと、粒が大きくシャキシャキ感の食べ応えがある実の開発に成功。自社ブランド「安芸こまち」として売り出しており、今後このノウハウを提案、展開していく。会社概要
田中電機工業株式会社 本 社:広島市南区大州1-5-24 設 立:1951年9月(1929年4月) 資本金:5000万円 売上高: 136億円(2018年3月期) 【グループ合計200億円】 従業員数:344人 事業内容:電気電子制御盤等の設計・製作・販売。コンピュータソフトの開発・OA機器の販売・保守ならびにシステムコンサルティング。電解水素水整水器の販売・水素水作物の栽培 T E L:082-282-0251 F A X:082-282-3636 http://www.tanaka-elec.co.jp/
※2018年8月当時の情報です。