全国1目指し、保育サービスの事業領域を拡充
病院内の実績強みに企業向け導入が加速化
株式会社アイグラン
女性の活躍と早期の待機児童解消が全国で急がれる。保育園の整備は国策に位置付けられ、子育て世代が働きやすい環境づくりに企業も本腰を入れ始めた。アイグランは2000年開始の保育サービス事業が急成長し、病院が主力の事業所内園は業界トップに。24時間体制の院内保育で培った実績を糧に、増加を見込む企業主導型保育事業へ経営資源を投入していく。
企業からの引き合い増
2017年10月、コンビニ大手セブン―イレブン・ジャパンの広島市内の加盟店対象に開園した。セブンでは全国へ園の整備を計画。18年春、一畑電鉄グループやJFEスチール西日本製鉄所、JR西日本グループなどから相次ぎ受託運営。安心して働き続けられる子育てを後押しし、採用や定着率のアップにつなげる。 全国大手への導入などを契機に、保育事業の周辺領域も広がろうとしている。従業員確保に止まらず、新たなビジネスチャンスの可能性も視野に入ってきた。受託実績は予定も含め認可59、事業所内は東北~九州に296園(18年6月)。スケールメリットを生かし、院内保育のノウハウを強みに、企業の多様な保育ニーズに応える。子育て世代の応援団
事業所内保育園も認可同様、保育に従事する全員が保育士資格者だ。保護者の立場になって保育の質に磨きをかけ、食事は天然素材に配慮しコンブとカツオで丁寧にだしを取り、おやつも手作り。地域性を尊重し、地元の食や行事を大切にすることで、各園の創意工夫とやりがいも引き出している。地域の医療を守ろうと、島しょ部などの院内保育も引き受ける。 18年春から都内認可園を皮切りに、業界で初めて乳幼児睡眠事故防止のIoT(モノのインターネット)サービスの導入を始めた。センサーを子どもの着衣に装着し専用タブレットで身体状況を自動記録。パソコンでチェック状況を確認できる。保育士の負担軽減と、保育の質向上に役立てる狙いだ。明日も来たい園
民間ならではの事業スキームとスピード感で全国展開を加速する中、自社社員向けの直営企業内保育園「あいぐらん保育園」の整備に乗り出した。実質無料で預けられ、地域枠も設ける。中四国九州の運営園の集積地域に向こう3年で30園体制を計画している。 笑顔の保育を目指して、16年から〝園長塾〟をスタート。保育の理念の共有、実践へ、重道社長は400人の園長と向き合う。「保育士の笑顔が園児の笑顔を育む。子どもは大人の態度を敏感に感じ取っている。保育にとって大切なのは愛のあふれた環境。園児や保育士が毎日、行きたくなる保育園を目指す」 保育士の教育研修やポスト、転勤、表彰制度なども充実させる。会社概要
株式会社アイグラン 本 社:広島市中区光南2-1-20 設 立:1987年11月資本金:5000万円 売上高:123億3533万円(2017年12月期) 従業員数:3900人(パート含む) 事業内容:保育サービス T E L:082-247-7895 http://www.aigran.co.jp
※2018年8月当時の情報です。